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甘い×2氷の雫 <著者:亜梨馬サマ 原案:南野める>

空高く打ち上げられる花火に、人々は酔いしれる。
道には華やかな出店が立ち並び恋人たちや子どもたちが、楽そうな笑顔を見せている。
残暑の厳しい暑さに、どのかき氷屋にも、行列ができていた。
その中の1つの出店に、蔵馬と梅流は並んでいた。
ここのかき氷屋は、1つのかき氷に2種類のシロップが選べるので1番混雑している。
待ちくたびれて、疲れきった顔をしている梅流に、蔵馬は話しかけた。

「大丈夫かい?梅流??」
 そっと腰に手を回し、梅流を支えるように立つ。
その行動に、梅流は自分の顔が赤くなっていくのがわかった。
「うん、平気だよ(笑)」
 笑って答えたが、確かに足は棒のように痛む。そっと、蔵馬の肩によりそってみる。
「もう少しだから、頑張ってね。そしたら、どこかでゆっくり休憩しよう」
「うん」
 そんな会話をしているうちに、ようやく店のカウンターごしに着く。
お店のおじさんが、威勢よくあいさつをしてきた。
「いらっしゃい!2つでいいのかい?」
「いえ、1つでいいです」
 梅流を見て、蔵馬が微笑む。
「どれにしようか・・・、梅流、何にする?」
 イチゴ、メロン、ブルーハワイ、レモンに砂糖水・・・
たくさんあるので、目移りしてしまう。
やっと心に決めた梅流は、蔵馬を見て、うなずいた。
「じゃあ、まずは・・・」
「イチゴ!」
 2人同時に答えたので、思わず顔を見合わせる。
「・・・・あ・・・」
 とっさに、目が合い、お互いに照れてしまう。
 
 「もう1つは、メロンで・・・」
 「あたしも・・・」
  そんなういういうしい光景に
 ついサービスをしたくなる、おじさんだった。
 「あいよ、大サービスで大盛りに
  シロップもたっぷりかけたといたよ」 
 「ありがとうごさいます」
  なかなか気前のいいおじさんに、蔵馬はお礼を言い
 お金を渡した。
 「オレのおごりだよ。先、食べていい?」
  イチゴのシロップがたっぷりかかったかき氷を
 一口ほおばり、梅流に手渡した。
 梅流も一口食べ、ふと気がついた。
 (あ・・これって、間接キス・・・)
 梅流の顔は、真っ赤になる。
 そして幸せのあまり、顔がすっかりゆるんでしまった
 そんな梅流を、隣で優しく見つめ楽しんでいる蔵馬であった




 


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