未来の小部屋〜回想編〜 <著者:夜瑠サマ>
やわらかい朝の光。
「‥うんっ…」(>_<)
久々の冬晴れだろうか・・・
彼女の瞳を差した光は今の季節にしてはめずらしい程温かだった。
“…まぶ‥しい…”
真っ白で大きなキングサイズベットの上で目覚めた梅流。
カーテンの隙間からこぼれた光に起こされた彼女だったが
お寝坊なのでいかんせんまだ頭がボーッとしてるようだ。
ゆっくりまわりを見回すと、横では夫がまだ寝て居る。
「・・蔵‥馬?」
何故か白いワイシャツのまま寝てる彼を傍観してるうちに
昨晩の事を思い出し急に顏が赤くなる。
「・・・あ…っ(//_/;)」
◇
昨日の夜の事だった。
“仕事で帰るのが遅くなる”と携帯で電話をくれた夫を梅流は夜中まで待っていた。
受話器の向こう側では“先に寝ててイイヨ”なんて優しい声が聞こえてたケド・・・
「梅流、奥さんだもんっ^^♪妻たるもの、夫の帰りを待たなきゃっ☆」
大ハシャギでリビングで待っていた梅流だったが
「蔵馬…遅いなぁ(@_@)」
自分一人の家はなんだかとっても静かで、すごく淋しい。
「へっくち☆★」
体を冷やしたのか、カワイく小さなくしゃみをするとトイレに向かった。
☆★☆ジャ−−ッ.バタン☆★
「風邪ひいたかな?(@_@)」
何て言いながらリビングに戻ろうとすると途中
脱衣所の乾燥機の中に蔵馬のパジャマが…。
「(@_@)゛・・・そっかぁ、今日お天気悪くて乾燥機使ったんだよね☆★」
もっとも炊事洗濯の殆どは蔵馬がやっているのダガ・・
「(-_-;)梅流…こんなんで奥さんなんて言えるかなぁ?」
一人蔵馬を待つこのだだっ広い家で、少なからず小さな自己嫌悪に陥りかけていると
“君がどんな姿形でも俺はかまわないよ…いいトコも悪いトコも
全部含めて…そのまま全部好きになったんだ”
いつだったか言ってくれた言葉を思いだし、思わず顔がほころぶ。
「エヘヘッ^^」
「あ…そうだ☆★」
今度は何を思ったのか自分の着てるモノを下着以外全て脱ぐと
パジャマの上だけを頭からかぶった。
「わぁ〜〜蔵馬ってば大きい☆★やだぁ(>▽<)」
当り前の事にキャッキャと大ハシャギする梅流。
その格好のまま「寒い寒い☆★」とリビングへ。
「蔵馬…おどろくかな?☆★」
白い足をあらわにしたまま床に座り込むとカーペットの熱に当てられ
大好きな人のパジャマが薔薇のように香った気がした。
「あ・・・(@_@)」
思わずブカブカに余ったソデの部分に鼻をつける。
「蔵馬の‥匂い…」
何だか切なくなってそのまま横になるとそのまま寝てしまった。
◇
帰ってきて驚いたのは蔵馬である。
仕事で遅くなり疲れて帰ってきた・・・“梅流はもうベットの中だろう”と
シャワーを浴びて着替えようとするとパジャマの上が無い。
代わりに女モノの服が・・・
「‥…ああ。」
何かを悟ったように笑うと新しくワイシャツを出して袖を通した。
スリッパをならしてリビングに行くと薄暗い部屋で自分の捜してたパジャマを身にまとい
猫のように丸待って寝息を立てている・・・思わず笑みがこぼれそうになるが
起こしてはいけないと静に抱き上げてベットに運ぶ。
「ぁ・・ん…?」
「ああ、ごめん起こしちゃったね(@_@)」
「め、梅流いつの間にか寝ちゃって…」
クスッと笑って額に口付けると
「ありがとう…寒かっただろう?こんな時間まで、夜更かしはいけないよ。」
“先に寝ててくれてもよかったのに”とゆう蔵馬。
「ううん、一人で寝るの、淋しいし…それに…
蔵馬の事考えながら待ってる方が、幸せな気持ちになれるんだよ・・・」
と赤く頬を染めた。
「‥梅流…」
深く口付けると少し冷えた体を包み込むように抱き締めた。
「あったかい‥きゃっ(:_;)」
「梅流‥」
「あ…あんっ(>_<)蔵馬、待っ…」
「大丈夫…力抜いてください…。」
「ん…っ」 ☆
そして二人はお互いの体温を感じ合いながら眠り込んだ。
☆★☆★☆★
「・・・(//□//;)」
お、思い出した…っ!
あの時の“コト”を‥‥真っ赤になる梅流をヨソに仕事の疲れで
ぐっすり眠りこんでピクリとも動かない。
人形のような端麗な顔立ち、朝の光が紅い髪に反射してキラキラしている。
昨日の夜の記憶と、今目の前に居る“愛しい”のが入り混じった気持ちに鼓動が高鳴る。
−長いまつげ 薄い唇 スッとした鼻 身長のワリに小さな顏
“梅流の全部が好きダヨ”なんて…梅流も…蔵馬の全部が好きだよ・・・。
「梅流‥おはよう。」
「え・・・(@_@)」
気が付くといつの間にか起きていた蔵馬の笑顔がソコにはあった。
「く・・・っ、蔵馬(@_@;)いつから起きてたの?全然気が付かなかったよーーーっ!!(>_<)」
“見とれてたの…バレたカナ?”
何て考えながら勝手にドギマギ☆★
もしかして・・・“梅流うるさかった?”と尋ねると
“そんなことないよ(^_^)”とおはようのキスをくれた。☆★☆★☆★
|