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 ある日の南野家   <著者:綾子サマ>



ある日の昼下がり、碧がお茶を飲んでいる父、蔵馬の所へ走り寄った。

「お父さん!」
「どうしたんだ碧?」
「お兄ちゃんが意地悪して教えてくれないんだ!」

蔵馬が碧を抱き上げるとクラピカが碧のあとを追って来た。

「碧?!お父さんに変な事を言うな!!」
「どうしたんだ二人とも?」
「お兄ちゃんが…」
「それは!碧が変な事を聞くから!!」
「変な事?碧?何を聞いたんだ?」
「…プロポーズって何?」
「え?プロポーズ?」
「うん…お兄ちゃんは知ってるのに教えてくれないんだ!」
「クラピカ…?」
「…言葉だけは…だけど、詳しくなんて知りません!」
「どうしたの?何のお話?」

そこへ母、梅流がお菓子を容器に入れ持ってきた。

「お母さん!!プロポーズって何?」
「えぇ?!プロポーズ!!!」
「碧…なんでそんな事を聞きたくなったんだ?」
「さっきねお兄ちゃんとアルバムを見てたんだ…
そしたら、お父さんとお母さんが綺麗な服を着てる写真が出てきて、
そこにこんな紙が挟まってたんだ…
それを見たら、お兄ちゃんが『これはプロポーズだ』って…」

碧の手には手紙のような紙が握られていた。

「これは…」
「碧?!それは!!!」
「お母さんなんで赤くなってるの?」
「いいからそれをお母さんにちょうだい!」
「え〜…」
「碧…これはね、お父さんとお母さんの大事な物なんだよ?」

碧が近くにある父の顔を見つめた。

「お父さんがお母さんのことが大好きだって事を伝えた思い出の物なんだよ。」
「ふ〜ん…なんて書いてあるの?」
「それは…

『After meeting you, I feel that the remarkable years
when how much passed have already been passed by two persons...
I loved you from the time of when...
Disagreeableness and I consider having been born by me in order to love you from the start.
Although changing and saying is shameful, I love to the extent that I cannot describe Meru in language. 
Therefore, Meru ... I want to be sufficient temporarily and to also leave with you, and there am... 
I want to be much together with you. [ no ] You who may wound you may be able to be made to cry.
However, I want to protect you by the side all the time. Therefore, please marry Meru and me. 
Please let me protect the smiling face of yours. much ... 
Meru which will be together forever If you wish, I will say any number of times... It is if you are loved...』

だよ。」

蔵馬は笑顔で紙に書かれた英文を読んだ。

「分からないよお父さん!」
「そうだね…もう少し大きくなったらきっと碧も何が書いてあるのか分かるし、
それにお父さんの気持ちが分かるようになると思うよ…だから碧…頑張って大きくなるんだ。」
「う〜ん…」

笑顔の蔵馬に碧は何か釈然としない顔をした。

「さぁ碧。お母さんと一緒にお茶のおかわりをいれてきてくれないかい?」
「うん?!」

碧は蔵馬の足から下りると梅流と共に台所に入って行った。

「さて、クラピカ…どうしてこれがプロポーズと分かったんだい?」
「…裏にお母さんの字で意味が書いてありました…」
「そっか…クラピカも頑張って自分を磨いて、お父さんみたいに気持ちを伝えられる人を見つけるんだ…」
「分かりました…僕二人を手伝って来ます!」

クラピカが台所に入ると、梅流が戻ってきた。

「二人が私達のお茶を入れてくれるんだって…」
「梅流…おいで…」
「え?」
「俺の気持ちはこの頃とちっとも変わってないよ…」
「蔵馬…私だって…」

蔵馬は笑顔でプロポーズの紙を梅流に渡し、梅流もまた笑顔でそれを受け取った。




(裏面の訳・・・)

君と出会ってからどのくらいが経っただろう?
もうかなりの年月を二人で過ごしてきた気がするよ・・・
俺はいつの頃からか君を愛していた・・・
いや、俺ははじめから君を愛するために生まれてきたんだと思う。
改めていうのは恥ずかしいけれど、
俺は梅流を言葉では言い表せないくらい愛しているんだ。
だから、梅流・・・
俺は一時たりとも君と離れたくない・・・
君とずっと一緒にいたいんだ。
君を傷つける事もあるかもしれない、
君を泣かせてしまう事もあるかもしれない。
だけど、君をずっと側で守っていきたいんだ。
だから梅流、俺と結婚してください。
君のその笑顔を守らせてください。
ずっと・・・永遠に一緒にいよう梅流。
君が望むなら、何度でも言おう・・・
あなたを愛していますと・・・



                                 
 


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